田部井 正次郎
『観光と平和の日本史』――サステナブル・ツーリズムがひらく未来への道
観光は、平和があってこそ成り立つ。
その当たり前で、しかし見落とされがちな真実を、日本史の流れから丁寧に解き明かす一冊が刊行された。
田部井正次郎著『観光と平和の日本史――サステナブル・ツーリズムがひらく未来への道』は、
古代の熊野詣から江戸時代の大衆旅行、戦後復興期の修学旅行、そしてインバウンド時代に至るまで、日本の観光の歩みを「平和」との関係から描き出す。
戦争は観光を止め、平和は人の移動と交流を育ててきた――。
本書はその歴史を通して、観光が単なる経済活動ではなく、地域を支え、文化をつなぎ、国際理解を深める力を持つことを示していく。
さらに第四章では、北海道、東北、広島・長崎、沖縄、東京の五地域を取り上げ、地域資源を活かした「持続可能な観光モデル」を具体的に提案。観光を未来世代へ引き継ぐための現実的な道筋を提示する。
「観光を自治体の“選択科目”から“必修科目”へ」。
行政、観光業界、教育関係者はもちろん、旅を愛するすべての人に読んでほしい、
観光立国・日本のこれからを考えるための示唆に満ちた一書である。
発行/22世紀アート
Kindle版・157頁
定価/¥1,250


